2次元の静電場 |
次に示すのは金属製の円筒の中に断面が正方形の金属棒が置かれているとしたときの断面図です。金属棒の電位は1Vに、円筒の電位は0Vに保たれているとしたときの電場の様子について考察するものとします。本来は3次元の問題ではあるわけですが、円筒や金属棒の長さが十分に長いとしたときには2次元の問題として扱うことができます。
この場合、電場を支配する方程式は
という形のラプラス方程式となるため、これを与えられた境界条件のもとで解けば良いわけです。FlexPDEによる計算結果の一部を紹介すると次のようになります。
(1) メッシュ構成
境界上に尖った部分があるため、FlexPDEによって自動生成される有限要素法メッシュはその近傍で非常に細かなものとなっています。
(2) 等電位線プロット
等電位線、すなわち電位Uに関する等高線図をプロットすると次のようになります。Dirichlet型の境界条件が満たされていることは右側のバーによって確認することができます。
(3) 曲面図
(2)と同じ情報を3次元曲面図として表示させると次のようになります。
(4) |E|のプロット
金属棒の表面上における電場ベクトルEの絶対値をプロットさせると次のようになります。角の部分でピークが生じていることがわかります。なお、赤字で示された数字が境界上のどの位置に対応するかは右側の補助図面上に示されています。このピークにより放電が誘発されることになります。