2次元の熱伝導

 
次に示すのは断面が半円形の鋼材を含む花崗岩製の石柱の断面図です。鋼材に電流を流し、単位体積当り106の熱量を加えたときの熱伝導について考察することにします。ただし鋼材の熱伝導率kの値は45、花崗岩の熱伝導率は3.5、また石柱の外部境界は0℃に維持されているものとします。

この場合、定常状態における熱伝導方程式は

で与えられることになります。なお、Tは温度を、kは熱伝導率を、hは単位体積当りに発生する熱量を意味します。FlexPDEによる計算結果の一部を紹介すると次のようになります。

(1) 等温線図

等温線図、すなわち温度Tに関する等高線図は次のようになります。鋼材頂部は温度がほぼ一様なため、この図では等高線が1本しか現れていません。

(2) 曲面図

等温線図を3次元曲面図の形で表現したものです。

(3) 鋼材部の等温線図

鋼材部のみに特化する形で等温線図を作成したものです。鋼材内部の温度分布が詳細に見て取れます。

(4) |f|のプロット

熱流束密度ベクトルをfとすると

で定義されます。このベクトルの絶対値を等高線図の形で表現すると次のようになります。半円形の角の部分で流束密度が高くなっていることがわかります。


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