3次元の熱伝導 - 過渡状態

 
ここでは3次元の熱伝導問題に対してFlexPDEを適用した例を紹介します。解析対象とする3次元オブジェクトは次の図に示したようなもので、基盤となる鉄製の板に銅製の円柱が溶接されているものとします。今、円柱の上面に熱を加えて行ったときに、系の温度がどのように変化して行くかをFlexPDEによって解析してみましょう。なお、系の温度は最初300°Kに保たれていたとします。

 平面図  立面図
   

時間依存型の熱伝導方程式は

のように表現されます。ここにTは温度を、fは熱流束密度ベクトルを、hは単位体積当りに発生する熱量を意味します。またρは物質の密度、cpは比熱を表すパラメータです。

時間依存型問題の場合、FlexPDEの計算結果はアニメーションという形で提示されますが、ここでは t = 1, 100, 1000 の3時点における静止画像を示すことにします。プロットするのは切断面 x = y 上における等温線図です。

(1) t = 1

t = 1 のときの等温線図は次のようになります。円柱頂部に加えられた熱はまだ下部には伝わっていません。

(2) t = 100

t = 100 の時点では鉄製の基盤部にまで熱が浸透して行っています。

(3) t = 1000

十分時間が経過した後の定常状態に対応したプロットです。円柱頂部の温度は約660°Kに達していることがわかります。


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